262の法則とは?パレートの法則との違いと組織論を解説!

今回はビジネス心理学で有名な262の法則についてお伝えしていきます。
 
この法則は自然界の中でも起きている法則で、例えばアリの話が有名です。
これはまた後で解説します。
組織論を語る上で262の法則は外せないものですので、ぜひ学んでいってください。

262の法則とは?

それでは、早速262の法則とは何なのかについてお伝えします。
動画はこちらです。

 

パレートの法則との違いは?

では、パレートの法則との違いはなんでしょうか。
パレートの法則というのは別名82の法則といわれたり、ユダヤの方式といわれています。
組織論でいえば、「2割の人間が全体の8割の利益を作り、残りの8割の人間が後の2割の利益をつくる」という法則です。
これは世の中のお金に関してもいわれています。
「世界中のお金の8割は上位2割の人間が所有し、残りの8割の人間で世界の2割のお金を分け合っている」ということがいわれますね。
まさしくパレートの法則です。
 
また個人でもこれは同じことがいえます。
つまり、僕たちが仕事しているの中で、8割の利益を上げているのはたった2割しかない、ということです。
残りの2割の利益を上げるために8割の労力を使っているという話です。
そのため、僕は全体の仕事の中から「自分が8割の利益を上げている2割の仕事」を明確にするようにしています。
明確にすることによって、生産性のない仕事を優先順位の下位に置いたり、もしくはその仕事自体をやらないというスタンスにしています。
 
個人の仕事のパフォーマンスを上げるためにも、パレートの法則や262の法則を使うことは非常に重要なことだと思います。
パレートの法則は8対2の法則ですが、262の場合はもう少し細かく分けたものだと考えてください。
8割の方を普通の6割と全然仕事をしない2割に分けた、ということですね。

262の法則の組織論

では262の法則の組織論についてお話しします。
先ほどもお伝えした通り、262の中で「意欲的に働く2割」や「普通に働く6割」だけを残し、「あまり働かない2割」を排除ところで、怠け者はやっぱり出てきます。
上位2割と普通に働く6割をうまく働かせるための潤滑油のような働きを怠け者の2割が担っている、と思ってください。
 
例えばドラえもんで考えてみたとき、メインのメンバーはドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんですね。
ここでは、のび太が圧倒的に怠け者だというスタンスです。
のび太は怠け者のポジション
でものび太がいなくなったらあの物語っていうのは成立しませんよね。
もしのび太がいなかったらジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、ドラえもんの中からヘタレ役っていうのが出てくるはずです。
これと同じことが自然界にもいえるのです。
 
ドラえもんに関しては上位の2割(「ドラえもん」の場合は一人ですね)が誰に当たるかわかりませんが、ここでも262の法則の組織論が見え隠れしているわけです。
ちなみに上位2割の人間が突然会社を辞めてしまったとします。
そうするとやっぱり、自然界の法則で今まで普通に働いていた6割と怠け者だった2割の中から生産力の高い2割が登場してきます。
これは非常に不思議な話ですが、ポストが空くことによって、今まで発揮できなかった自分の力を発揮するようになる、というわけです。
 

262の法則を人材育成に応用すると?

この262の法則を人材育成に応用するとどうなるのか。
おもしろい話がありますのでご紹介したいと思います。
能力の高い上位2割の人たちを集中的に育成しようとすると、その2割の人たちの能力だけが抜きん出ていきます。
普通の人たちや怠け者の人たちとの差は、どんどん広がっていくことになりますね。
そうすると上位2割の人たちが「ここでは物足りない」といって別の組織に行ってしまう…いうことがよく起こります。
 
例えば、僕の古くからの友人は大学を卒業して世界の一流企業に勤めました。
企業名は言えませんが、インテルとかMicrosoftとか、そっち系の会社です。
 
彼は非常に仕事ができたので、アジア地域のいわゆる部長みたいなポジションになりました。
そして、日本だけでなくてアジアを統括するような立場になりました。
そこからどうなったかというと、大手の企業にヘッドハンティングされて、次の企業に移ってしまいました。
その中でも頭角を現していって、さらに次の会社、次の会社っていうようにヘッドハンティングされるのを繰り返してどんどん出世していっています。
個人的にはそういうやり方ももちろんありですし、自己実現のために生きることは可能ですが、優秀な人材がいなくなってしまう組織としてはちょっともったいないわけですよ。
そういう事態を引き起こさないためには、上位2割を積極的に育成していくよりも、6割の部分を育成すると良いといわれています。
 
つまり、普通の能力の人たちをスキルアップしていくわけです。
こうすることで組織全体としてレベルアップしていくことが可能だといわれています。
 

262の法則を個人に応用すると?

では262の法則を個人に応用するとどのようなことができるのでしょうか。
まずは個人事業主に焦点を当てて解説していきたいと思います。

個人事業主

個人事業主は業種によってやっていることはさまざまです。
ただ、自分の業種以外のこともやらなければならないのが現実です。
 
例えば魚屋さんだったら、魚を仕入れて販売する以外に会計をやったり、税金のことをいろいろやったりしなければいけないわけです。
むしろそちらの方が労力がかかったりする場合もあります。
 
もしそうなった場合、自分の労働の中で8割の利益を出しているのは往々にして魚を販売する方ですよね。
税金関係の雑務が利益を生み出しているわけではありません。
 
8割の労力が2割の利益しか生み出さないということをさっきお伝えしました。
それならば、その税金関係の仕事を誰か別の人に任せるということが考えられるわけです。
僕はインターネットマーケティングやオウンドメディア構築といったことを専門にやっています。
サイトを作ったり、集客の仕組みを作ったり、こうして記事を書くことが僕の仕事です。
 
でもやっぱり、税金関係の処理が毎月毎月発生します。
税金関係の仕事は僕には一切の利益にならないので、誰か他の人に任せるのが正解なわけです。
なので今は税理士さんに全部やってもらっています。
 
自分の仕事を全て洗い出してみて、どれが利益になっていてどれが利益になっていないのかを確認してみてください。
その中から利益になっていなくて人に任せられることがあったらどんどん任せていくことが正解です。
余ったエネルギーを使って利益を生み出す仕事の方をもっと拡大すれば、さらに企業を成長させていけます。
 

営業マン

では、営業マンの場合はどうなんでしょうか。
営業の世界でよくいわれているのは、「上位2割の得意客が8割の成果につながっている」ということです。
この場合は、アフターフォローやそういったサービスを上位2割のお客様に徹底していくのがセオリーとなっています。
もちろん、残り8割の方にアフターサービスをしなくて良いということではありません。
上位2割のお客様に対してできるだけエネルギーを注ぐということです。
上位顧客にエネルギーを注ぐ
そうするとその2割から新しいお客様をどんどん紹介してもらえたりできるわけです。
8割の方のお客様にもある程度のアフターフォローをしながら、できるだけ上位2割のお客様の方にエネルギーを注いでいくことがセオリーです。
ただ、これはお客様を抱えている場合の話です。
 
これから新規顧客を開拓する場合は、やっぱり100人の見込み客がいるのなら上位2割くらいが有力な見込み客となります。
自分のエネルギーを100だとしたら、エネルギーの8割を上位2割のお客様に注ぎ込むのが鉄板です。
全く相手にしてくれないお客様にまで自分のエネルギーを注ぐ必要はありません。
 
ちょっと話を聞いてくれる人がおそらく6割、積極的に話を聞いてくれる人がおそらく2割程度いるはずです。
まずその2割にエネルギーを注ぎ、少し話を聞いてくれる6割の方にさらに残ったエネルギーを注ぐ、ということをしてください。
全然全く相手にしてくれない2割に関してはもう手をつけなくていい、というのが営業の新規開拓における鉄則です。
下手な営業マン、というと失礼なんですが、僕は営業マン時代かなり販売成績がよかったんですね。
 
で、その時もやっぱり、全然脈なしのお客様に関しては自分から営業するということがありませんでした
 
一回アプローチして「全く脈なしだな」という場合は、もうそこで終わりです。
そういうお客様の脈を測りに行く労力を、もっと積極的に話を聞いてくれるお客様の方に向けていました。
そうすることによってお客様が固定客になり、リピーターになり、さらに上位2割のお客様がやっぱりいいお客様を紹介してくれたりしました。
 
「紹介してくれるお客様」というのは1人だけじゃなくて2人も3人も、時には10人、20人という単位で新しいお客様を紹介してくださるので、本当に利益に繋がりやすかったですね。
上得顧客にできるだけエネルギーを注ぐことは、新規開拓においても大事な点だと思います。
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受験生

ちなみに262の法則は受験生にも当てはまります。
宅浪をして全く勉強しない、毎日バイトばっかりしている受験生もいれば、毎日十何時間も必死に勉強している受験生もいます。
また普通に勉強するくらいの受験生もいます。
これもきれいに262に分かれるので見てみるとおもしろいですよ。
 

262の法則は嘘?

それから、「262の法則は嘘だ」というような話もありますので、それについてお話します。
262の法則は自然界の法則なので、人間界にある全ての法則にあてはまるわけではありません。
先ほどもお伝えした通り、ある程度の規模がないと262の法則があてはまらないこともあるんですね。
 
それをもって262の法則が嘘だというのは正解なのか、それとも少し言い過ぎなのか、というのは皆様の判断にお任せします。
 
ただ僕の実測値としては、やっぱり営業マン時代の売り上げは262の法則に則ってましたし、今の仕事も262の法則に則っていると思います。
つまり税金関係の2割の仕事というのは本当に全く利益に繋がりません。
普通の仕事っていうのはある程度利益に繋がりますし、上位2割の仕事っていうのがやっぱり8割くらいの利益を生み出してくれています。
 
そういう意味では、「262の法則は嘘ではなくて本当ではないかな」と体感として思っています。
因みに営業マン時代、僕はある程度の規模の会社に勤めていました。
営業の支店が全国に30箇所くらいある会社でした。
 
やっぱり一生懸命働いている人はその支店の中で2割くらいでしたし、全然何もやらない支店も中にはあったので、そういう意味では262の法則は本当なんじゃないかなと個人的には思っています。
また、似たような法則として343の法則があるので、ご紹介しておきますね。
 

343の法則とは?

343の法則というのは別名さしみの法則と言われています。
「343」なのでさしみですね。
これは例えば何かの意見に関して全体の賛成反対の集計をした時に、賛成が3割、反対が3割、残り4割は中立の立場をとるという法則ですね。
4割は賛成、4割は中立、また3割は反対なので343の法則と言われています。
これに関しては意見にもよるため、343の法則はあまりあてにならないんじゃないかなと個人的には思ったりします。
 

自然界における262の法則

「262の法則」は自然界の事象から発見された法則といわれています。
アリの話が有名ですね。
262の法則と働きアリ
自然界に生きているアリの中で一生懸命働く働き蟻が2割、普通に働く普通のアリが6割、怠け者のアリが2割だという集計が出ています。
これは生物学者がしっかりとアリの数を数えてとった集計なのでほぼ間違いないかと思います。
このアリの中で上位2割の働き蟻を排除するとどうなるのか。
残った8割の中から働き蟻が出てきます。
 
逆にしたの2割の怠けアリを排除するとどうなるのか?
そうするとやっぱり、残った8割から怠け者のアリが2割出てくるんですね。これが自然界の法則です。
 
何故この法則があるのかについては諸説ありますが、要するに2割の怠け者の蟻は働いていないわけなので、安全なところにいることが多いわけです。
そのため全体の働き蟻が減ってきた時のバッファ要因となれるよう、バランスを取っているといわれています。
不思議ですね。
 

まとめ〜262の法則のアリ話〜

では最後に、262の法則をまとめていきたいと思います。
262の法則というのは上位2割がよく働き、6割が普通に働き、下の2割が怠け者だっていう法則でした。
これは働くこと以外にも当てはまって、仕事のパフォーマンスに関しても同じことがいえます
パレートの法則との違いは、単純に右端の8割が6割と2割に分かれたのだと思ってください。
 
262の法則を組織に当てはめると、上位2割を削除したところで残りの8割からまた働き者の2割が出てきますし、その逆に下の2割を排除したところで、その残った8割の中からまた怠け者が出てくるという話でした。
 
個人事業主の方の場合は、全体の業務の中の2割が8割の利益を作るということでした。
なので業務整理というか、仕事の整理をして、利益を生み出しているところにエネルギーをできるだけ注げるような体制を作ることが正解だと思います。
 
営業マンも同じです。
見込み客の中でも、見込みの熱いお客さんにできるだけエネルギーを注ぐということです。
262の法則は嘘じゃないか、という話もしましたが、体感としては262の法則は嘘じゃないと思います。
 
ただ、ある程度の規模がない組織だとこの法則は成り立たないといわれています。
この262の法則というのは自然界の法則で、アリがいい例だという話をしました。
つまり、アリの世界でも全体の働き者の2割を排除したところで、やっぱり働き者が8割の中から出てくるし、逆に下の2割を排除したところで残った8割のうちの2割が怠け者になってしまうということでした。
 
いろいろと262の法則についてお伝えしてきましたが、僕は自然界に関して無駄なものは一切ないと考えています。
人間の目では、「下の2割のアリは怠け者だ」と映ったり、大きな人間の組織の中でも「下の2割の人間は必要のない人材だ」と見るような傾向があります。
でも僕は、それはまちがっていると思います。
ドラえもんの例でもお話ししましたが、やっぱりのび太のような役割の人っていうのは必要なんですね。
 
のび太がいなかったら、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、ドラえもんの中の誰かがのび太の役目になるわけです。
何故なら、それは必要だからです。
逆に言うとのび太以外の4人があういう風に活躍できるのは、のび太がいるおかげだ、という見方もできるわけです。
スネ夫がジャイアンに苛められないのは、もしかしたらのび太がいるおかげなのかもしれません。
のび太がいなかったらしずかちゃんはもしかしたらジャイアンやスネ夫に苛められていたのかもしれません。
 
これは会社の組織の中でもいえるわけです。
 
もし営業マンが100人いたら、その中で20%が「ダメ営業マン」と言われるわけです。
でもその営業マンがいなかったら、普通の社員が人材育成の能力を身につけることはできないのかもしれませんよね。
教えることができないのですから。
もしくは残り6割の中からやっぱり下の人が出てきて、その人たちが周りの人から「お前全然ダメなやつだな」というラベルを貼られます。
彼らは自分はダメなやつだと思い込みどんどん営業成績が下がっていくかもしれません。
 
本来なら力があるのに。
 
だから、下の2割の人たちを決して「怠け者」とか「できないやつ」とか「ダメなやつ」という風に見るのではなくて、「この人たちがいるおかげで自分たちは活躍できているんだ」という見方をしてもいいのかもしれません。
これはもちろん組織のだけではなくて、社会全体の中でもいえるわけです。
 
例えばいわゆる「弱者」といわれる方たちがいるおかげで、健常者は平和に過ごせているのかもしれません。
僕が一番言いたいのは、やっぱり世の中に無駄なものっていうのはなくて、あくまでバランスをとって生きているっていうことです。
全てのことを肯定的に捉えられたらもっともっと素敵な世の中になっていきますし、そういう捉え方を是非していきましょう。
因みに僕はインターネットを使って自動で集客する仕組みの作り方をリアル店舗の方に教えています。
何故なら、例えばレストランのオーナーさんって集客することが仕事ではないですよね。
 
レストランだったら、美味しい料理をお客様に提供することが仕事です。
またその美味しい料理を楽しく食べていただけるような場を作ることが仕事です。
 
外でティッシュ配りをしたり、ビラを配ったり、ホットペッパーの記事の内容を考えることは、レストランの方がやる仕事ではありません。
そこに労力を使うのは非常にもったいないことです。
お金もかかるし、労力のわりにそんなに成果が上がらない場合もあります。
だから、そういう部分をできるだけ削って、レストランの経営の方にエネルギーを注げるようにするわけです。
「集客」の部分を自動化することによって、そこに使われていた労力を、味付けを良くしたりお店の掃除をしたりするなどの部分に使えるわけです。
 
僕はこれからももっともっと「自動で集客する仕組み」をみなさんにお伝えしていきたいと思っていますし、ブログの中でもいろいろお伝えしていますので、ぜひ学んでいってもらえたらなと思います。
この世の中が本当に適材適所でうまく回るような世の中にもっともっとしていけたらなと思っていますし、それができる時代だと思っていますので、ぜひみんなでそういう社会を作っていきましょう!
 
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