バンドワゴン効果とは有名な心理学効果で、マーケティングでもよく使われています。
SNSは特に顕著です。
インスタがきっかけで流行が生まれることってありますよね?
ちょっと前だとパンケーキ屋とか、歯が白くなる歯磨き粉とか。
あれらもバンドワゴン効果が引き起こす現象です。
また、バンドワゴン効果と対比して使われる心理効果に
- ヴェレン効果
- スノッブ効果
- アンダードッグ効果
があります。
今回はそれらも含めて、バンドワゴン効果を実験や具体例、応用例も踏まえてわかりやすく解説します。
バンドワゴン効果とは?
バンドワゴン効果とは、
「みんなが持ってると自分も欲しくなる効果」
「みんながやってると自分もやりたくなる効果」
のことです。
また、皆がやっていることを自分もやりたくなると言うのもバンドワゴン効果です。
こちらをご覧ください。
バンドワゴン効果が起きる流れがよく分かる、奇跡的な動画ですよ。
1:13超えた当たりから凄いことになります。
いかがでしたか?
嘘みたいな動画でしたよね!!
最初は1人の男性が楽し気に踊っているだけです。
周りにたくさんの人がいても、他の人はこれを眺めているだけです。
「恥ずかしくないのかな」
周りの人は、そう思っているかもしれません。
しかし、楽しそうな男性を見て、ついに「私も踊りたい」という人が出てきたのですね。
そんな人が一人増え二人増えして・・
ついにはみんなが踊りだしてしまったのでした。
これが、目で見るバンドワゴン効果の例です。
「大勢の人が同じ『なにか』を持つと、自分もその『なにか』を持とうとする」
と言う、まさに流行のできる心理を提唱したわけですね。
「持とうとする」という気持ちはすなわち、「欲しい」ということです。
さらに、「大勢の人」の規模が大きくなるほど、欲しい気持ちも大きくなる。
そうした心理傾向が人にはある。
と、ライベンシュタインさんは注目したのです。
実は、このバンドワゴンというのは楽隊を乗せた車のことです。
ちんどん屋なんかも、そこに集まった子供達に惹かれて、さらに子どもたちが集まってくるものでした。
楽しい容姿や音楽に釣られて人が集まるわけですね。
そして、しだいに大人たちも「なんだなんだ」と集まってきます。
これは、野次馬心理と言ってもいいかもしれませんね。
このように
「人がしている事を自分もしたくなる」または「人の持っているものが自分も欲しくなる」
という心理のことが「バンドワゴン効果」というものなのです。
そして、この気持ちは「人」が多ければ多いほど強くなり、人気なものはどんどん人気が出るというしくみができます。
なので、何かが流行している時は、このバンドワゴン効果が効いている時といえます。
また、この「欲しい気持ち」を利用して経済を活性化できると考えられました。
そこで、今では経済のあらゆる場面でこのバンドワゴン効果が使われるようになったのです。
では、具体的にどんなところでどのように使われているのか見ていきましょう。
バンドワゴン効果の具体例
FX
FXは通貨を使った投資です。
アメリカの1ドルは日本でいくらになるのか。
この値が、毎日どころか時間によって変動します。
この変動を捕まえて、ドルや円などの通貨を売買し、利益を上げようとする投資方法ですね。
この投資でもバンドワゴン効果が働いています。
先に、バンドワゴンの名の由来をお伝えしましたね。
実は、あの話には続きがあるのです。
そしてそれこそが投資に大きく関係しているので、お話しますね。
バンドワゴンでは楽しい楽隊に人が集まって来たのでした。
その人だかりが、どんどんどんどん増えていく・・となったらどうでしょう。
ついには、車は人が邪魔で動けなくなってしまいますね。
そんな事態になったら、楽隊も危険を感じて音楽をやめてしまいます。
そして、音楽のない車はもう楽しくありません。
こうして、集まった人々はすべてバンドワゴンから去って行くのでした。
というのが結末です。
つまり、大きく集まってきたものはいずれ一気に離れていく時が来る。
と、考えることができます。
そして、値動きにもこうした傾向がおこることがままあります。
ここでは、上り調子の通貨ほど一気に落ちることがある。
そう心得ておくのがよさそうですね。
どこまで値が上がるのか、を見極めるためには相当な勉強と経験が必要となるでしょう。
では、投資関連でもうひとつ例を挙げてみますね。
デイトレード
これは投資の手法ともいえるものです。
株は株価が上がった時に、持ち株を売ることで利益を得ます。
でも、株価は一日の内にも変動しますね。
そこで、それを利用して一日の内に繰り返し取引をする投資方法がコレです。
しかし、この時大きな資金を投入して一時的に株を上げる人たちがいます。
上がった株には「もっと上がるかも」「自分もこれ買っておこう」という人たちが集まりますよね。
するとどんどん株価は上昇。
しかし、バンドワゴン効果はいずれ人がいなくなるということでした、
跳ねあがった株価ほど一気に落ちる時が来ます。
そして、最初に大きな資金を投資した人は株価の落ちる前に取引を終えて、利益を得ているのです。
これこそが、作られたバンドワゴン効果といえるでしょう。
そして、これはデイトレードの場合だけとも限りません。
株投資をしている場合にも言えます。
調子のいい株ほど気を付けた方がいいようですね。
バンドワゴン効果で利益を上げられるのはすごいことです。
でも、この効果に乗せられている側からすれば怖いですね。
しかし、この効果はもっと広い場で利用されていることがあります。
これはたくさんの人に関係することなので、ぜひ知っておいて下さい。
その利用法とは・・
選挙
かつては、血も流して選挙権を獲得した時代もありました。
ところが、昨今は選挙率は下がる一方。
特に若者の選挙ばなれが激しいと言われています。
おっと、これこそがバンドワゴン効果の結果でした。
どういうことかというと。
「投票に行かない若者が多い」
と言っているのは、テレビや新聞などのいわゆるマスコミです。
このニュースを見た若者は
「若者は投票に行かないんだ、じゃあ自分も行かない」
という、バンドワゴン効果の心理が働いてしまうのです。
そしてこれは、選挙に出ている人にも同じような効果を生みます。
投票率が下がっている現代では特に。
マスコミは選挙中から、誰が優勢なのか報道しますね。
すると、その報道を聞いた有権者はその人に票を入れようとするのです。
「優勢なのはみんなが良いと言っているからだろう」という心理ですね。
本当は、立候補者のことをよく自分で調べて投票するべきですが、大勢の意見を参考にしてしまうのが、人、のようです。
このように、選挙でも現れる効果は、その先の重要な場にもこの効果は生まれます。
では、次に選挙の先にあるものでの例をご紹介しましょう。
政治
ここでいう選挙の先にあるものは政治です。
政治は、複数の政党が集まって執り行われる国の大切な仕事です。
複数の政党があるのは、独裁政治にならないためですね。
独裁政治の危険は歴史を見れば明らかですが、ここでは省きます。
しかし、複数の政党はいつも自党の支持率を気にしています。
自身の党から国会議員をたくさん出すためには、選挙の前の支持率です。
そして、この支持率も選挙と同じようにバンドワゴン効果が働きます。
時々、テレビ局などが行う「世論調査」。
この結果報道が新たな支持率を生むという現実があるようです。
例えば、現在の首相の支持率が前回より落ちたと報道されると、その結果からさらに支持率が落ちる、などという事態が起こるのですね。
為政者は皆、これを上向きにするバンドワゴン効果が働くことを願っているに違いありません。
また、私たちは報道を鵜呑みにしない、という姿勢を持つべきということになりますね。
さて、大勢が集まる方へ人は流れる、ということを分かっていただいたところで「バンドワゴン効果は操作できる」ということを思い出していただきましょう。
これはもともと、経済を活性化できる話から生まれたものです。
冒頭ではこの効果のことを、「起業する人にとっての成功のカギ」とありましたね。
起業で成功するには何が大切でしょうか。
それはつまるところ「集客」
つまり、人が集まるというバンドワゴン効果はビジネスでは欠かせないものということです。
では、どんなふうにこの効果を活用できるのか?
そこで、次から、バンドワゴン効果を応用した具体例を上げて見ていただこうと思います。
バンドワゴン効果のマーケティング応用例
キャッチコピー
実際に目の前に楽しそうなバンドワゴンが来なくても、バンドワゴン効果を生み出すことはできます。
それができるのは、「言葉」
そんな、言葉で人を集めることをするものが「キャッチコピー」です。
CMには有名なコピーライターのキャッチがよく使われていますね。
でも、これは誰にでも作れます。
よく目にするものをご紹介しましょう。
「当店ナンバー1商品」
数字は文字の中でも認識が早く、かな文字と違うのでインパクトを与えます。
人気商品だと思うと、一度は手に取るのではないでしょうか。
「○○賞受賞しました」
認知度の高い賞ほどキャッチ効果は高くなりますね。
本では直木賞や芥川賞、映画にはアカデミー賞など、数多く賞はあります。
モンドセレクション金賞受賞とか、よく分からないけど欲しくなりますよね。
あれ、お金出せば買えるらしですが。
(噂ですよ)
中には接客を競う大会もあるそうです。
そんなお店の接客は受けたくなりますよね。
「元祖○○」
飲食店や食べ物につけられていることが多いキャッチです。
あちこちで見かけることはありますが、本当はどうかはわかりません。
でも、元祖というと長く続いている印象があり、信用が与えられます。
「○○部門で今月もトップ」
「今月も」というところで、長い間人気があることを示します。
「当店のロングセラー」
こちらも長い期間の人気を表現したものですね。
たくさんの人に支持されていることを感じます。
「あの人気女優が愛用している」
きれいで有名な女優やアイドルの名を入れると好感度はアップしますね。
コスメのCMなら、自分もあの人みたいにきれいになれるかも・・と、思ったりしませんか?
「今、話題の商品がこれ」
今、流行っていることは、人の心をとらえるもの。
知らない人でも、話題と言われると手に取ることが多いでしょう。
「行列のできる店」
行列ができる店なら流行っているに違いない。
そういう印象がありますよね。
ある意味、ピグマリオン効果といえるかもしれませんね。
このキャッチで、行列が本当にできたという例があります。
「顧客満足度一位」
保険屋さんによくあるコピーです。
たくさんの人が加入している印象を与えますね。
「1秒で○個も売れている商品」
「へえ、一日に86400個も売れるのか」
なんて計算する人はなくても、たくさんの人が買っているなとは思います。
「人気商品のためお電話がかかりにくくなるかもしれません」
テレビショッピングではよく使われるセリフですね。
しかし、このセリフで「私も早くかけなきゃ」と思わせることができるのです。
街に出かけると周りはこんなキャッチコピーであふれているのですね。
もちろんネットにもこうした広告はいっぱいあります。
そんなネットも進化してSNSが当たり前になりました。
ここでもバンドワゴン効果は使えます。
それはどこでしょうか?
SNS
先日、これから喫茶店をオープンする予定の方と話していたら、「インスタ映えする商品が勝負!」と熱く語っていました。
インスタに投稿をしてもらうことで、お店のPRをしよう!ということですね。
「集客も大事だけど、お客さんが喜ぶお店になってることの方がもっと重要だよ。」とボソッと伝えておきましたけど^^;
いくら集客しても、リピーターにならないと一生新規顧客の獲得に追い回されちゃいますから。
とはいえ、インスタ含めSNSはバンドワゴン効果を使った有効な集客方法ですよね。
友人や知人が実際に足を運んでいれば、自分も行ってみようかな?という気持ちにもなりやすいですから。
一方、SNSユーザーの側に立ってみれば、欲しいのは「いいね」のクリックではないでしょうか。
そこで、この「いいね」は数が多いほど、クリックされる回数も増える。
これも、バンドワゴン効果です。
あなたもSNSで友達を探す時に、クリック数をチェックしませんか?
「いいね」が多いのはおもしろい発言が多いしるしになりますからね。
また、リツイートが多いSNSも参加者が増えて、どんどん盛況になります。
そして、そんな盛況なSNSにビジネスが参入してきます。
それは、自身の商品の話題をそのSNSに載せてもらおうというものです。
この場合は、話題を広めてもらう代わりに商品をプレゼントする・・とかあるでしょう。
「人のふんどしで相撲を取る」みたいな感じもしますがこれもSNSを使った一つのマーケティング戦略ですよね。
営業
営業も広い意味での広告ですよね。
これは、お客さんに自身の商品をいかに売り込むかが勝負の世界です。
ここでは、バンドワゴン効果をお客さんに仕掛けることが作戦になります。
これは、先のキャッチコピーをヒントにすればうまく行くでしょう。
商品の価値を紹介する時に、いかに他でも売れているかを伝えます。
つまり、人気商品であることを宣伝するわけですね。
この時、消費者はバンドワゴン効果がかかると、商品そのものより人気に価値を見出すのです。
「実は他にも欲しい人が大勢いるんですが、お宅には特別にお分けできます」なんてセリフを言われたらぐらっときませんか?
と、ここまで商法に使えるバンドワゴン効果をご紹介してきました。
でもこれは、企業の中で意見を通したい時にも使えます。
その方法もお見せします。
会議
会議では、賛成であれ反対であれ自分の意見を何としても通したい時はあるものです。
また、自分のアイデアを採用してもらいたい時がありますね。
こんな時は、バンドワゴン効果で自分に有利に話しを進めることが可能です。
それには、根回しが必要になります。
まずは、自分と同じ意見の人をリサーチして、手伝ってもらうようにするのです。
どんな手伝いをするのでしょうか。
それは、会議で通したい意見を発言する時に、大きな拍手や「賛成」の声を上げてもらうのです。
そうすることで、参加者に「支持されている意見だ」と思ってもらいます。
こうなれば、あとはバンドワゴン効果で通したい意見に票が流れる・・という次第です。
口コミ
口コミは、人のウワサと言い換えてもいいでしょう。
伝達方法の中では口コミは強力な手段です。
昔、電車の中で女学生が友達とこんな話をしました。
「あそこの銀行危ないらしいよ」
すると、そこで名前が出た銀行では、預金を下ろす人が殺到したのです。
そして、本当にその銀行は潰れてしまった・・これは、ウワサは怖いという話ですね。
口コミ作戦はいたるところで取られています。
例えば、ファッションがそうでしょう。
「ファッションの流行は作るもの」ですから。
話題性のある女優やモデルを雑誌の表紙につかったり、特集を組むことで、口コミを起こします。
すると、「〜〜の雑誌みた?」「あの商品これから流行るらしいよ」となるわけです。
女子は流行に敏感ですから、みんな乗り出して話を聞くのではないでしょうか。
そして口コミは口コミで拡散します。
これだけでも十分、バンドワゴン効果は発動しますが
ここで
「ここだけの話だけど」
と、付け加えるとさらに効果的に情報が広がります。
禁止されるほどやりたくなる、カリギュラ効果との併用ですね。
経済
今までご紹介しててきたことは、実は日常的に行われています。
こうして私たちの経済が回っていると言っても過言ではありません。
まさにバンドワゴン効果さまさま、という感じです。
しかし、経済を活性化させるためにはバンドワゴン効果だけが必要ではありません。
起業をする人も消費者であっても、経済は活性化して欲しいものです。
実は、経済学ではバンドワゴン効果以外の効果も提唱されています。
その名は「ヴェブレン効果」「スノッブ効果」「アンダードッグ効果」の3つ。
これも経済を語るうえで重要な役割を持っている効果です。
次では、これらの効果と比較することで、さらにバンドワゴン効果の理解を深めていくことをします。
バンドワゴン効果とヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは
ヴェブレン効果は「より高価なものほど購買意欲が上がる」という心理です。
これは、高価なものを持つことがステイタス。
高価なものを持っていることで、人より上位に感じるという気持ちのことです。
街中でも、高級車に乗っている人が不遜に思えることもありますよね。
「おれ、こんな高級車に乗れるんだぞ」みたいな。
でも、だからどうだ・・という話なのですが、人にはそんな心理が働きます。
分かりやすい例をあげるなら「ブランド志向」がこれに当てはまります。
「バッグならグッチでなくちゃ・・」
なんて人はヴェブレン効果が働いている人でしょう。
鞄の機能としては、低価のものとそん色なくてもです。
世の中には「なんでこんな高い商品が売れるのだろう」と思うものもありますよね。
それは「高級品を持っている自分を見て欲しい人」が存在するからです。
つまり、見せびらかしたい気持ちですね。
そこで、ヴェブレン効果は「自己顕示欲を満たす心理」とも言われています。
では、このヴェブレン効果とバンドワゴン効果はどんな関係にあるのでしょうか。
ふたつの効果の関係
バンドワゴン効果は大勢が集まるところには、さらに人が集まるという心理を現すものでした。
そこでビジネスを展開する場合に、ヴェブレン効果と組み合わせて使うことができます。
しかし、高価にするだけでは何の意味もありませんね。
ここでは、高価になるけれども欲しくなるような付加価値を付けるのです。
たとえば「プレミアム」
この言葉を商品名に付けるだけで高級そうになりますね。
これを、人気商品に付ければさらに消費効果をあげられる事になります。
高級志向の人には、この作戦で消費拡大が見込めます。
しかし、世の中、そうでない人もいますよね。
そんな人のことを「あまのじゃく」なんて呼びます。
その心理効果が次にご紹介する「スノッブ効果」です。
バンドワゴン効果とスノッブ効果
スノッブ効果とは
スノッブ効果とは、人と同じは嫌なのであえて逆を行く心理です。
例えば、周りの友だちが同じものを持っていても、それを欲しくない人もいますよね。
また、流行は気にならないという人もいます。
人と同じものは持ちたくない、同じ事はしたくない。
これは、人と違うことで自分を特別な存在と思う心理からくるものです。
先のヴェブレン効果が、外に向けた自己顕示欲から来るものに対して
スノッブ効果は、自己満足が作り上げる効果と言ってもいいかもしれませんね。
バンドワゴン効果との関係
スノッブ効果は、他の人と違う事がしたい心理。
ということは、他の人と同じ事をしたいバンドワゴン効果とは真逆と言えます。
相反する効果なのに、どんな関係があるというのでしょうか。
実は、スノッブ効果の持つ心理は、バンドワゴン効果にかかっている人にも存在しているのです。
思い出してください。
バンドワゴン車は人がいっぱいになり過ぎたら止まってしまいましたね。
そして、人は離れていきました。。。
このように、バンドワゴン効果は限界があり、限界を超えると効果は一気に終息します。
そして、その限界を超えたのちにスノッブ効果が出現してくるのです。
ビジネスに応用するなら
人気商品にシリアルナンバーを付ける
などが好例でしょう。
さらに、高価な値段をつけることで「ヴィブレン効果」も作用させることもできます。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果
アンダードッグ効果とは
アンダードッグ効果とは、負けてる方を応援したくなる心理効果のことです。
心理学では、アンダードッグ効果がバンドワゴン効果の対極と言われています。
これは人の同情心を掻き立てる効果といえます。
運動会の徒競走やリレーでは、最下位で一生懸命走っている人を応援したくなりますね。
そして、最後にはトップ走者より、最下位走者のゴールインの方が歓声が大きくなったりします。
こうした、ある種、同情を持って人が集まる心理をアンダードッグ効果というのです。
ではこのアンダードッグ効果はバンドワゴン効果とどう組み合わせることができるでしょうか。
バンドワゴン効果を強化してくれる
前の話でバンドワゴン効果には限界があるとお伝えしましたね。
そこで、限界が来る前にアンダードッグ効果を取り入れるのです。
アンダードッグ効果の例では、リレーの話をしました。
人は、リレーの最下位でも一生懸命走る姿に心打たれたのですね。
そこで、集客が少なくなって来たら、ここを見せます。
どこって?
一生懸命に仕事やサービスを提供する姿です。
さらに、この一生懸命さはキャッチコピーで表してもいいですね。
「女房子供のためにがんばっています」
「利益は度外視でサービスに励んでいます」
こうしてアンダードッグ効果をかけることができたら、集客も復活するでしょう。
こんな同情を買う作戦は、選挙にも多く使われているようです。
「もう後がありません」
「皆さんだけが頼りです」
などという街頭演説を、あなたも聞いたことあるのではないでしょうか。
しかし、票は同情で集めるものではないと思いますけどね。
さて、いろいろな効果をご紹介してきましたが
人が集まる心理は、バンドワゴン効果が中心になっていると言えるのではないでしょうか。
また、人が集まる心理は同調心理として、実験も行われています。
大勢の人についつい流されてしまう・・
そんな心理のバンドワゴン効果は、どんな実験で実証されたのでしょう。
バンドワゴン効果の実験
バンドワゴン効果を確かめるための実験のひとつをご紹介します。
まず初めに、30人の人においしくない食事を提供しました。
ただ、この中の29人がいわゆるサクラで、被験者は1人です。
そして、食事の感想を言ってもらう事にします。
サクラには「食事がおいしかった」と言ってもらいます。
すると被験者の1人は、食事が本当はおいしくなくても「おいしかった」と言ったのです。
これは、まわりの意見と違うことに不安を感じたために、サクラに同調したわけですね。
この気持ちがバンドワゴン効果と名付けられたということです。
ところで、このバンドワゴン効果は日本人に発動しやすいという意見があります。
本当でしょうか?
検証してみましょう。
日本人はバンドワゴン効果に弱い?
日本人がバンドワゴン効果に弱いというなら
それは日本の国民性がそうだということです。
どんな国民性を私たちは持っているというのでしょうか。
長い物には巻かれろ
ことわざを見てみると国民性が出ているものがあります。
「長い物には巻かれろ」もそのひとつです。
これは、周り状況に合わせて、波風を立てるなという意味ですね。
波風を立てないことが美徳のひとつだったのでしょう。
そして、みんながしている事は自分もする・・したくなる・・
と、こうしてバンドワゴン効果に突入になるのでしょう。
KY
かつて、「KY」という暗号が国内で流行りました。
「空気が読めないヤツ」の略記号で「周りの状況に合わせられない人」の意味です。
そして、特に若い人はこの「KY」と言われることを恐れたのです。
このように、周りの状況に合わせることを日本人は重要視しているのですね。
教育
今でこそ、個性を尊重するような風潮になっていますが、少し前までは教育現場でも、個性は学校生活を乱すものとして疎まれてた傾向がありました。
人の和を乱してはいけない。
この、作られた気質が今でも残っていると、バンドワゴン効果に乗りやすくなるかもしれません。
人まねが得意
日本人はサル真似がうまいと言ったのは欧米人だったでしょうか。
日本人は、和を乱さないようにするために、周りに対して敏感だったのですね。
敏感だからこそ、優れた技術にはすぐ反応して取り入れることができたのです。
この敏感さが、流行に作用していると言えそうです。
さらに、国内でのスマートフォンの普及具合を見てもわかりますね。
これでは、日本人がバンドワゴン効果に弱いと言われてもうなずくしかありません。
日本人がバンドワゴン効果に弱いとは言っても、提唱者はアメリカ人です。
どの国の人にもおこるはずですよね。
ということは、この効果が起きる原因はもっと深いところにあるということ。
では、さらにその深いところを検証してみることにしましょう。
なぜバンドワゴン効果は起きるのか?
心理作用を考える時、一番最初に頭をよぎる疑問はこれに尽きます。
「なぜ、それが起こるのか?」
これから、その核心を解明していきます。
まずは脳の構造を見ていきましょう。
脳は安定化を好む
実は、脳には「安定化」の傾向があります。
不安定は危険の要素だからです。
生命維持には安全が第一ですからね。
そして私たちは、大勢の挙動に倣うことで安定を図るようになりました。
初めての場面や慣れない場面では、特にこの傾向が強くなります。
動画で、最初は見物人が「恥ずかしい」と思っていたのは、見物人の方が多かったからです。
しかし、踊る人の方が増えてからは「恥ずかしい」気持ちが、脳の安定化のために薄められてしまったのですね。
流行もこれと同じ。
新しいもの、初めてのものほど、大勢が持つと持ちたくなってしまいます。
そして、その数が多くなるほど、脳が安全とみなして、同じ行動をするのですね。
こうして昔からバンドワゴン効果はあらゆるところで発揮されてきました。
さらに、現代のようなネット社会においては、この効果は最大限に発揮できるようです。
起業を考えている人には、次にお伝えすることは朗報ですよ。
SNS時代はバンドワゴン効果が有効?
スマホの普及もすごいと思いますが、SNSの普及も目を見張るものがありました。
それは、電話やメールを飛び越える情報交換のスピードの速さがあったからでしょう。
情報を早く拡散したい人にはまたとないツールですね。
そして、その早さに比例してバンドワゴン効果も高まると考えることができます。
よい情報ならとても嬉しく、役立つことでしょう。
しかし、ここで一つ注意したいことがあります。
それは、危険な情報も拡散する場合があることです。
中には意図的に、悪い情報を流す人もいないとは限りません。
なので、悪い情報でもバンドワゴン効果が発動することがあることを覚えておいて下さい。
そして、大勢の人がひとつのことへ動いている時こそ、自分の頭で考えることをして下さいね。
「バンドワゴン効果」の解説は以上です。
最後に、バンドワゴン効果についての知識を定着させるために、簡単なおさらいをしていきましょう。
バンドワゴン効果〜まとめ〜
今回は、流行を作るバンドワゴン効果についてお伝えしてきました。
バンドワゴン効果とは
- 大勢の人が同じ「なにか」を持つと、自分もその「なにか」を持とうとする
- 大勢の人の規模が大きくなるほど、欲しい気持ちも大きくなる
ことでしたね。
バンドワゴン効果の具体例
- FX
- デイトレード
- 選挙
- 政治(支持率)
バンドワゴン効果と関係が深い効果
- ヴェレン効果・・みせびらかし消費
- スノッブ効果・・人と同じは嫌なのであえて逆を行く心理
- アンダードッグ効果・・負けてる方を応援したくなる同情効果
なぜ、日本人はバンドワゴン効果に弱いのか?
- 波風を立てないことが美徳になっているから
- 空気を読むことが良いという傾向があるから
- 人と同じようにすることを教育されたから
- 和を尊重するため、周りの変化に敏感であるから
なぜバンドワゴン効果は起きるのか?
- 脳は安定化したがるから
- 大勢の動向が安全と判断するから
SNS時代はバンドワゴン効果が有効!
情報拡散が早いのでバンドワゴン効果も早く現れる!
でした。
これからはますますネット社会が充実してくるように思います。
ネットでビジネスを始める人も増え続けるでしょう。
そこであなたがすてきな計画や役立つアイデアを持っているなら、ぜひ、ネットでバンドワゴン効果を使って広めて下さい。
「でも、私の考えなんか・・」
と、思っている人にこそ、ネットは味方になってくれます。
さあ、行動しましょう!