本来なら30分で終わる仕事を、1時間もかけてしまうことってありませんか?
パーキンソン第一の法則は、見事にこの事を言い表しています。
また、給料が上がったのに、何故か上がった分のお金が溜まっていかないこともありますよね?
宝くじで1億円当たっても、気がついたらなくなっちゃった。
むしろ借金になっちゃったなんて話もよく聞きます。
あれはパーキンソン第二の法則そのものです。
不思議ですよね。
そこで今回はパーキンソン法則と、そこから抜け出すとっておきの方法をお伝えします!
パーキンソンの法則とは?
パーキンソンといってもこれは病気とは関係ありません。
経済学者パーキンソンが提唱した現代人の心理傾向を現すものです。
この心理傾向にはまるとどんなことがおきるのか。
彼は経済学者なのでこの法則を仕事量でのパターンと収入でのパターンで発表しました。
第一の法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
パーキンソンが最初に提示したのはこんな文言です。
抽象的なのでちょっと分かりにくいですね。
でもあなたも経験があるのではないでしょうか。
例えば、夏休みの宿題。
今年こそは7月中にやるぞ!
なんて言いながら、毎年8月の最終週になってからヒイヒイ言いながら取り掛かる・・
そしてギリギリにやっと提出に漕ぎつける・・
これはパーキンソンの法則が働いたわかりやすい例といえます。
こんなことが、実はおとなになっても続いてしまうのです。
これがパーキンソンの法則です。
ビジネスマンなら、上司に「いついつまでに資料を作るように」などと言われることがありますね。
この期限が一週間なら一週間後にあなたは資料を提出します。
あなたの能力でなら2、3日でできる資料だとしても、です。
さらに期限がひと月後なら、あなたは資料つくりにひと月を費やしてしまうでしょう。
これが
「与えられた時間を使い切るために仕事量を膨張させる」
ということです。
簡単に言うと、時間ギリギリまで手が空かないようにダラダラやるってことですね。
これは、パーキンソンがイギリスの役人を観察して発見した法則です。
1900年代半ばのイギリスは、植民地政策などが縮小傾向にありました。
それなのに、公務員は減るどころか毎年増え続けたのです。
これは
「公務員が保身のために仕事を増やしたがる」
「そのための部下を作りたがる」
そんな心理が働くためだと、パーキンソンは突き止めたわけですね。
わかる!
それが転じて
「与えられた仕事を期限いっぱいにすることで人は満足を得る」
というとらえ方になってきたようです。
お役所仕事って、そういう所ありますよね。
一生懸命やってる人はやってますけど。
先の話の公務員の期限はさしずめ「定年まで」というところですね。
そしてまた、パーキンソンはこの法則を収入と支出に当てはめました。
それが次に紹介する第二の法則です。
第二の法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
これもパッと見ただけでは意味が分かりにくいですね。
こんな古いセリフがあります。
「江戸っ子は宵越しの金を持たない」
これは「江戸の人はその日の収入はその日のうちに使い切ってしまう」という意味です。
この時代は日給制だったようですね。
そして、明日のためにお金をとっておくことは粋ではなかったのです。
でもホントは、パーキンソンの法則に縛られていただけだったのかもしれません(-_-;)
・・いや、ホントの所はよくわからないですけど。
この法則は早い話「人は収入があるだけ使ってしまう」ということです。
これだけを見ていると
- 仕事は「期限に間に合う」
- お金は「借金せず、収入に合う支出をしているだけ」
ということで問題は何もないように思います。
そう、これだけ見れば何も不具合はありません。
しかし、向上心のある人なら首をひねるのではないでしょうか?
何か無駄をしている気がする・・
その通り、これは人が知らないうちに作りだしている、無駄を提唱する法則でもあるのです。
一見問題のないようなこれらの行動は、しだいにこんな影響をもたらすのです
パーキンソンの法則が仕事に与える影響
まずは第一の法則で見てみる事にします。
パーキンソンの法則で囚われた仕事が作っている無駄はなんでしょう。
それは時間です。
企業は法定労働時間が決められているので、8時から5時までなどと就労時間は決まっています。
これは仕事の中身とは関係ありません。
実は、その日のうちに本当に必要な仕事量は午前中で終わることもあるはずです。
その仕事を8時間に分散して行うとどうなるか。
必要ではない仕事をすることになります。
必要ではない会議のために、必要ではない資料を作ることもあるでしょう。
または、就業時間まで机に向かって仕事をしているふりをする人も出てきます。
これはしなくていい無駄な時間ですね。
企業も個人も就業時間ありき、になっているということです。
しかし、これでは企業にとっても個人にとっても良いこととはいえませんね。
仕事に関する第一の法則ではこのように時間が無駄になりました。
第二の法則ではなんと、お金が無駄になってしまいます。
それは一体どういう訳なのか!
次はそれを解説していきましょう。
パーキンソンの法則がお金に与える影響
パーキンソンの法則の第二の法則は「人は収入があるだけ使ってしまう」ということでした。
・・・分かる気がする(-_-;)
パーキンソンは役人に注目してこの法則を見つけたのですが、僕たちの周りでも見ることができます。
国や自治体は、年度初めに一年間に必要な費用を想定して算出しますね。
それは想定したものですから、年末には費用が余ることもあるはずです。
しかし、費用を余らせると次の年から予算が減らされてしまう懸念をします。
そこで年度末が近づくと「最近、道路工事が多いな」なんてことがおこるのです。
これはまた個人でも当てはまります。
例えば毎月の給料が10万円の人が「貯金できないわー」というのは分かる気もします。
ところが、世の中では毎月の給料が50万でも貯金できない人がいます。
これはなんと、年収1千万の人でも同じなのです。
お金のない人から見たら不思議な事です。
これがパーキンソンの第二の法則の怖いところ。
使わなくても良いお金を使っている事になりますよね。
確かに管理能力の高い人もいて、少ない収入でも上手に貯金をする人もいます。
しかし、多くの人にはこうした不思議な心理作用が働いてしまうのも事実なのです。
人に無駄な時間とお金を使う傾向があるのが分かった・・
これだけだとがっかりしてしまいますね。
でも、大切なのはこれからです。
弱点が分かりさえすれば、改善できる可能性は大きくあるはず。
では、人に巣食うこの法則への対策を探してみることにしましょう。
パーキンソンの法則対策
人が間違いを犯すのは、何が間違いなのか分からないからです。
パーキンソンは法則で、その「人が犯しがちな間違い」を提示してくれました。
これを元に、今まで無駄に使っていた時間とお金を有効活用しましょう。
タイムマネージメント編
タイムマネージメントというのは時間管理のこと。
人に与えられている時間は死ぬまでの寿命ですね。
寿命は人それぞれなのでみんなが公平とはいえません。
その上、その時間があとどれだけあるのか誰にもわかりません。
だとしたら、今の時間をいかに有効に使うかが重要、という事がわかるでしょう。
今の時間を有効に使うことが、人生をよりよく生きることにもつながります。
そこでタイムマネージメントには、パーキンソンの法則の裏をかくことにします。
そこで、先にあげた上司からの期限付きの仕事を例にとりますね。
上司は一週間という期限をつけました。
しかし、ここではあえてもっとタイトな期限を自分で設定するのです。
自分の能力がよく分かっている人なら、完了までの目安が分るかもしれませんね。
それを目安に、自分なりの締め切りを決めるのです。
ここでパーキンソンの法則にのっとれば、上司の決めた期限より早く仕事が終わります。
残った時間は、あなたの自由に使える事になるわけです。
しかもその仕事が期限より早く提出されることで、上司の評価が上がるという利点付きです。
このことはまたプライベートにも活用できます!
休日にたまった家事や生活に必要な雑事をする事はよくあることです。
今日一日で終わらせればいいと思ってやっていると、ダラダラと仕事は進みます。
しかし、「午前中が雑用の期限だぞ」と自分に言い聞かせたらどうでしょう。
あなたは午前中に雑事を済ませて、午後はのんびり見たかった映画が見られる事になります。
このようなことから、上手なタイムマネージメントをするには
- するべき仕事をきちんと把握する
- 終了時間は短く区切る
ということになりますね。
あ、もちろん、余らせた時間も無為に過ごすことのないように気を付けて下さいね。
時間がマネージメント出来たら、次はお金の管理です。
これもパーキンソンの法則の逆を使えば、給料日前に焦ることはなくなりますよ。
お金の管理編
多くの人は「お金がたくさんあれば満たされる」と思っています。
しかし、現実は働けど働けど我が暮らし楽にならず・・
という思いが続きます。
こんな時は、パーキンソンの法則にハマっていると思って下さい。
収入を使えるだけ使っているのですね。
そして月末にお金が残らないから余裕がない、自分は豊かと言えない
そう思っているのです。
そこから抜け出すには、月末にもお金が残るようにしなければなりません。
でも、収入を全部使ってしまうパーキンソンの法則に縛られている時はどうしたらよいのでしょう。
「月末にお金が残っていたら貯金しよう」というのは無駄です。
全部使ってしまうのがこの法則ですからね。
勝負は給料が口座に振り込まれた時に決まります。
給料が入った日に生活費だけを引き出しましょう。
そして、次の給料日までATMに近づかないことです。
でも、今はカード払いができてしまうので、これも失敗する可能性があります。
そこで、ワンランクアップの作戦をご紹介します。
それは貯金専用の口座を作り、給料日に貯金分を移し替えるというものです。
さらに積立口座を開くと、指定日に自動に指定金額が振り込まれるサービスが銀行にはあります。
これを使えばパーキンソンの第二法則も怖くありません。
時間も与えられた時に自分で決めることで時間に余裕を作ることができました。
これは時間もお金も、最初に計画をたてることが成功のカギだということなのではないでしょうか。
これまで時間とお金に関する法則を見て来ましたが、実はもうひとつパーキンソン氏が提唱した法則があるのです。
これもビジネスに役立つことになるのでご紹介しておきますね。
パーキンソンの凡俗法則(ぼんぞくほうそく)
「凡俗(ぼんぞく)」の意味を調べてみると
「ありふれた」「ありきたり」「月並み」
などの言葉が並んでいます。
パーキンソン氏は何がありきたりで月並みと言ったのでしょうか。
「組織は重要でない案件ほど力を入れる傾向がある」
パーキンソン氏はこのようなことを言ったのです。
この「重要でない」ところが「凡俗」となり「パーキンソンの凡俗法則」となりました。
また、これは「自転車置き場の議論」とも呼ばれています。
これは優しいテーマは理解している人が多いので意見が出やすいということです。
自転車置き場は誰もが知っているもので、意見を出せるポイントも多いという訳ですね。
逆に難しいテーマでは理解している人が少なく、論戦にならず早く会議が終わるということになります。
例えば、原子炉についての議論では意見をするほど知識のある人が少ないということです。
この場合は、会議に出された意見がそのまま通る確率が高くなるわけです。
会議によっては議論をしてもらいたいもの、逆にさっさと案件を通したいものがあるでしょう。
そんな時にこのパーキンソンの凡俗法則を知っていれば作戦が立てられますよね。
議論してもらいたいものはあらかじめ理解を深める下準備が必要になります。
また、
- 早く結果を出してもらいたいものは資料を難しくする。
- 講師に難しく説明してもらう。
こうした作戦で会議を有利に進めることも可能になるでしょう。
パーキンソンの法則の解説は以上です。
以上ですが、一番大事なことをこれからお伝えします。
パーキンソンの法則など関係ない
今回は仕事と時間とお金にまつわるパーキンソンの法則の解説をしてきました。
パーキンソンの法則って、言ってしまえば「人間は基本怠惰な生き物ですよ!」って事でした。
でも、それはそれ。
自分が怠惰に生きるか、ストイックに生きるかは選べます。
僕が大学受験の時にお世話になった、カリスマ英語講師の方は、めちゃストイックでしたよ。
例えば、自分の授業に納得がいかなかったときには、予備校の6階での授業だったとしても、いつも階段で1回まで下りてきていました。
その間に、授業の反省をしていたそうです。
カッコイイですよね!
この先生の姿を見て、僕もこんな大人になろう!と思ったものです。
ちなみに、このカリスマ英語講師の先生は、そこから数年後に本を出版したり活躍の幅を広げ、今ではリクルートが提供する「スタディーサプリ」とか、TOEICのスマホ英語授業の先生をやってます。
この先生!
関先生、マジかっこいいっす!
思わずコメントしてしまった。
いつか一緒に仕事できたらいいな!
関先生がパーキンソンの法則に関係なくストイックでいられるのは何故か知りませんが、僕の経験から無駄にダラダラせずに生きるための方法をお伝えしますね!
それは・・・・
ズバリ環境!です。
つまり、いつも一緒にいる仲良しだったり、周りにいる人達がダラダラているなら、自分もダラダラしてしまう可能性が高くなります。
でも逆に、ストイックな人達が周りに多いなら、自分も足を引っ張られること無く、ストイックに目標達成に向けて向かっていくことが出来るのです。
これは何も、周りにストイックな人が大勢いなければ出来ないわけではなくて、たった一人でも構いません。
例えば、関先生みたいな、真剣でストイックな人を見つけたら、その人と仲良くするとか、目標にすればいいんですね。
これは効果絶大です!
実は大学受験の前の僕は、ダラダラした人間でした。
でも、受験勉強が始まり、初めて関先生の授業を受けてみると、たった90分前とは違う自分になっていたのです。
もちろん英語の授業も圧倒的だったんですが、関先生って、時間があると人生論みたいのも語るんですね。
別に「俺について来い!」みたいな感じじゃないですよ。
多分そういうの苦手なんじゃないかな?
(勝手な思い込みですが・・)
「なぜ自分が高級腕時計をつけないか」とか「受験勉強を本気でやることが、その後の人生にどんなインパクトを与えるか?」とか、そういう人生論を。
それ聞いていると、人間性が上がってしまうという・・そんな人生論を。
その初回授業以来、僕は「関先生みたいな大人になりたい!」と本気で思うようになって、大学にいてもダラダラせずに勉強をしました。
その後独立して、いまこうして自分のビジネスが上手く出来ているのも、関先生のおかげだと思っています。
こんな風に、たった一人目標となる人物がいるだけで、パーキンソンの法則なんか関係なくなるんですね。
ここは心して下さい。
一応、パーキンソンの法則をおさらいしておきますね!
パーキンソンの法則まとめ
パーキンソンの法則とは
第一の法則・・「 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
第二の法則・・「 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
パーキンソンの法則が仕事に与える影響
- 持ち時間を使い切るために余分な仕事を作る
- よって無駄な時間を過ごすことになる
パーキンソンの法則がお金に与える影響
- 収入いっぱいにお金を使ってしまう
- よって余裕がなく貯金ができなくなる
パーキンソンの法則対策
- タイムマネージメント編・・使う時間を短く設定する
- お金の管理編・・収入は受け取った時点で貯金する
パーキンソンの凡俗法則
- 「組織は重要でない案件ほど力を入れる傾向がある」
- 「自転車置き場の議論」とも呼ばれる。
- 会議では理解しやすいテーマの方が紛糾するということ。
でした。
まあ、どうでもいいですよね?