「人生で一番後悔している事は何ですか?」
僕にとってのそれは、母のことです。
僕が育ったのは母子家庭の家でした。
父と母は僕が2歳の時に離婚して、母と僕と姉の3人家族になりました。
計算すると母が32歳のときです。
今でこそ母子家庭は珍しくありませんが、僕の時代は人クラスに1人いるかいないかくらい珍しかったです。
両親の内どちらかが亡くなって一人親になっている家庭と同じくらいの数でした。
僕が小学5年生になった時、母の体調が悪くなってしまいました。
検査を受けた所、癌になってしまっていました。
それから母の闘病生活が始まります。
抗がん剤や放射線治療などありとあらゆる方法で治療に励む母は
毎日嘔吐し、髪も抜けてしまい、本当に辛そうでした。
そんな辛そうな母の姿を見ているのが辛くて中学2年生になった頃から学校が終わるとあまり家に帰らなくなりました。
家に帰らない日は祖母の家に帰っていたんです。
母が入院していたからでもありますが、退院してもあまり帰らなかった。
母に負担をかけないようにしようとう気持ちもありましたし、反抗期特有の面倒臭さのようなものもありました。
母の闘病生活は僕が高校1年の秋まで約5年間続きました。
その間、入院していても僕の誕生日にはいつも一時帰宅の許可を取ってくれて
わざわざケーキを買って帰ってきて、僕の誕生日をお祝いしてくれました。
本当に嬉しかった。
僕は母の事が大好きでした。
高校生になるとほとんど祖母の家で生活するようになっていた僕ですが、
部活がない日にはよく母のお見舞いに行っていました。
と言っても1ヶ月に2回くらいですけど。
「おこずかいちょうだい!」って。
母も「お小遣いもらうときだけお見舞いにきて。」って言ってましたが、
本当はお小遣いが欲しいわけじゃなかったんです。
母に会いたかったんです。
でも、「母ちゃんに会いたくてきたよ。」なんて言えないんですよね。
思春期の高校生が。
どう思われていても母に会えるのが嬉しかったです。
母は母でそんな僕の気持ちに気付いていたのかもしれませんけど。
そして・・・・
・・・・・高校一年の10月12日。
母はこの世を去りました。
最期を看取る事も出来なかった。
母が亡くなって・・母からの愛情をたくさん思い出して。
誕生日ケーキの事を思い出して。
毎日毎日泣いていました。
寂しくて寂しくて・・。
「会いたいよ。会いにきてよ。」って何度も夜空に向かって言ってみたけど、
胸の内に湧いてくるのは後悔の気持ちばかり。
「もっと家に帰っていれば良かった。」
「負担になりたくなかったら、背中くらいさすってあげる事が出来たんじゃないか?」
「食器洗いくらいで来たんじゃないか?」
「俺がそばにいてあげるだけでも母は喜んだんじゃないだろうか?」
「もっとそばにいればよかった。」
「もっと母との時間を大切にすれば良かった。」
「もっと素直になれていたら・・。」
後悔後悔後悔・・・。
・・・・・・。
二度と母に会うことは出来ません。
僕がお伝えしたい事は【恥ずかしくても素直に生きていきませんか?】てことです。
僕はこの時の教訓、母が最期に教えてくれた教えを大事に生きています。
だから、失敗する事はたくさんあるけど、後悔する事は無くなりました。
再度にもう一度質問します。
「人生で一番後悔している事は何ですか?」
そして、「その後悔にどう向き合いますか?」